年の瀬迫るころとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
12月といえばこの1年を振り返る月......ということで、今年読んだ書籍の中からおもしろかった三冊を紹介したいと思います。
①儚い羊たちの祝宴(著:米澤穂信)
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」を背景に起こる、5つの短編からなるミステリー小説です。好きな話は「北の館の罪人」。主人公は小間使いとして、とある館で軟禁されている男の世話を任されます。館から出られない男は主人公に買い物を頼むのですが、それは糸鋸や酢、ラピスラズリ、時には動物の血液など脈絡のないものばかり。ラストパートで全てが繋がり、背筋の冷えるような結末を迎える様は圧巻です。
②ものがたりの家(著:吉田誠治)
背景グラフィッカーの著者が描く、空想の家の美術設定集です。絵本や小説に登場するような印象的な建物と、そこで暮らす人々の姿が自然なタッチで描かれています。どんな生活をしているのか。どうしてそこで暮らすことになったのか。そこにはどんな物語があるのでしょう?イラストを眺めながらワクワクが止まらない、夢と憧れと想像が膨らむ一冊です。
③ダンジョン飯(著:九井諒子)
地下迷宮(ダンジョン)でドラゴンに食べられた仲間を助け出す。という目的から始まるファンタジー漫画です。時間も資金もないので食料は現地調達。つまり、モンスターを調理して食べるのですが......これがまあすごく美味しそうなんです。おもしろおかしいグルメ冒険漫画と思いきや、食べること、生きること、より深い根源的な部分に迫っていく物語はどこか深く心に響きます。
以上、2024マイベスト書籍でした。
冬の盛りを迎えるこれからの季節、お家時間に読書なんていかがでしょうか。
薬剤師 関