ハクキンカイロってご存知でしょうか。平成生まれはもちろん昭和後半生まれの人は知らないと思いますが、今の使い捨てカイロが発売される以前は冬の保温器具としてよく使われていました。現在も目立ちませんが販売継続されています。
原理はベンジン(炭化水素)が気化し、白金(プラチナ)を触媒として炭酸ガス(CO2) と水(H2O)に分解される時の酸化熱を利用しています。白金(プラチナ)は自分の体積の100倍もの酸素と結びつく性質があり、熱量は使い捨てカイロの13倍、25mlの燃料で24時間持続可能とのことです。実際使い捨てカイロが主流になっても、本格的な冬山登山する方や、高所の電気工事に携わっている方は常用されていたことを覚えています。また使い捨てカイロと違い、本体だけでなくパックしていたプラスチック袋、剥離紙などのゴミが出ないこともメリットです。また前回の東京オリンピックでは聖火輸送時の予備として、98年の長野冬季オリンピックでは聖火の輸送やトーチの火が消えた時の予備火として活躍したとホームページに記載がありました。
熱量も高いので、やけどや使い捨てカイロ同様低温やけどには注意が必要です。
薬剤師 若林